小笠原広記さんと佐藤久美の対談【第2部】です。


第1部で、意外にも小笠原さんは、何か専門的な機関でWEBデザインを学ばれたわけではないということがわかりました。
じゃあ、なぜWEBのデザインをやろうと思ったのか、すごく気になりますよね。
しかも今回の第2部では、小笠原さんが世界的なデザインコンテストで大賞を受賞されたときの裏話をしてくださっています。
どんな思考で受賞作品を作ったのか、とても参考になる内容です。
WEBデザインを始めるきっかけは独立だった
不動産会社に勤めたあと、仲間と独立をするわけですが、お店を出すとなると、お店のロゴや看板のデザインなどが必要になりますよね。
デザイン事務所に依頼しても良かったのですが、独立当時は手探りの状態だったので、自分たちでできることは、自分たちでやろうということで、ここでロゴデザインをやったのが、きっかけになります。
バナー1個500円の時代
マッチングサイトを使って、ものすごく低単価な、バナー1個500円とか、ヘッダー1個3000円とか、そういう仕事をやりながら日雇いの仕事をやっていたっていうのが、フリーのWEBデザイナーのきっかけになります。
1件5万円の案件との出会い
1件500円などの、超低単価な案件をこなしている中、少しだけ高単価な1件5万円もらえる案件がありました。その案件というのが、当時の高額塾とか情報商材などのLP(ランディングページ)をデザインする仕事だったんですよね。
そこから定期的にお仕事がもらえるようになって、今までは3000円の案件だったら10個作って3万円ですよね。30万円もらおうと思ったら、100個作らないといけないわけです。ちょっと不可能ですよね。
でも、 LP作成であれば、月4本で20万円ぐらいになるので、低単価でデザインをしているときよりは、良かったんですけど、気持ちとしては、「こんなもん作りたくない」と思ってたんですよね。
自分で作成したLPで初報酬!
デザインは出来るので、見よう見まねで文章も書き、2個、3個、4個と複数のLPを作っていき、3か月後くらいに初めて、100円のアフィリエイト報酬を生み出すことができました。
今まではデザインというものをお金と交換していたのが、デザインを誰かに提供してお金をもらうという方法じゃなくて、違う方法でお金を生み出したっていう感覚があったんですよね。
100万円目前、感じた違和感・・・
順調にアフィリエイト報酬も伸び、このまま続けていけば、100万円に届くな、と思いつつ、「なんかこのままでいいのかな」っていう違和感も覚えていました。
そう考えるのと同じ時期に、提携していた会社が、アフィリエイトから撤退したんですよね。
ビッグキーワード狙いで大失敗?!
当時は、入り口が1つで、出口が複数あるサイトを作っていました。これは、ビッグキーワードを狙って、キャッシュポイントとなる商品や商材を狙うというような方法を取っていたんですけど、これで大失敗して、このときに、出口を複数作るんじゃなくて、1つでいいんだな、ということに気づいたんですよね。
ブログこそヒドラマーケティング
ヒドラとは、頭はいっぱいあるけど尻尾は1つというモンスターのことを指していて、これってブログと同じなんですよね。
ブログは、いろんなキーワードを拾って、アクセスを集めながら、その情報を配信している僕という存在を知ってもらうことができるということがわかったので、ブログをやっていこうと思ったんですよね。
その都度、殻を破れてるなっていう感覚
ブログの記事がバズったり、Photoshopの専門書を出版したり、世界的なデザインコンテストで大賞を受賞したりしても、飛躍した感覚は一度もなくて、でも確かに昔と比べても確かに変わった感覚はあって、その都度、自分の殻は破れてるなというのがあります。
デザインコンテストに挑戦することも、ちょっと最初は、「自分なんかいいのかな」とか迷いもあったんですよね。でも、やってみてやるからには、大賞とりたいじゃないですか。で、実際にとれたら、飛躍はしてないんですけど、完全に殻は破れてるんですよね。
当時の技術では作れない作品を作ったってどういうこと?
例えば世の中にはプロフェッショナルの人とかいるじゃないですか。僕はもう色々なことをやってきたんですけど、ランディングページオンリーのプロフェッショナルではないじゃないんですよね。
コピーライティングもやりますし、情報発信もやりますし、ある意味では色々やっているんですけど、コピーライターならコピーライターオンリーを突き詰めた人とか、WEBデザインを突き詰めてきた人とか、そういう、その道のプロには勝てないんですよね。
あのデザインコンテストも、プロアマ問わずで、世界のクリエイターがもう自由に参加できるようなコンテストだったんで、そこで戦うってことは、画像のコラージュとか構成とか世界観の作り方とか、全部ひっくるめてかなりのトップレベルの人と勝負しなきゃいけないなっていう風になった時に、自分が「すげえなあっ」て思う作品を、たくさん見たんですよ。
感覚を取り入れるとは?
良い作品をたくさん見て、そのときに感覚を取り入れるんですよね。そこから作品をコンセプトに沿って作品を作り出すってなったときに、そのレベルに達さないとずっと自分が気持ち悪い状態になるんですよね。
自分のレベルとトップレベルの差は、「自分はこんなしょぼいのしか作れないのか」って思うわけなんですが、トップレベルの感覚を取り入れているんで、そこまでは自分をあげないと、気持ち悪い状態になるんですよね。
その気持ちを入れながら、自分が納得するレベルまで、いろいろ足したり引いたりして、最終的に納得したっていうところまでいくと、今の現在地よりも全然レベルの高いものが作れるって言う感覚があるんですね。
技術は勝手についてくる
トップレベルのレベルを吸収して感覚を吸収したところでスタートすると、自分の限界を超えたところを作れるし、最終的に完成させられるって言うのがあるんですよね。
それは、10年間デザインを学ばなきゃいけないとか、そういうことではなくて、それを表現するために、「切り取りってどうやればうまくできるかな」いろいろ試してみるんで、勝手に技術ってついてくるんですよね。
丸パクリではなくて
トップレベルのものを見ると、このデザインいいな、ということでそのままパクってしまう人とかいるんですけど、それはもちろんダメですよね。
で、いろんな作品からこの構造はいいなとか、この作品のこのカラーはいいなとか、そういう寄せ集めみたいな感じとはちょっと違うんですよね。
これだと、1つの世界観が作れないので、自分で作品を作るときというのは、あくまでも「ここには勝てないな」っていうレベルものを集めて、その人たちの感性に自分を近づけていくと、自分のレベルを超えたものを作れるようになっていきます。
第3部へ続く